Who Says What to Whom on Twitterを読んだ
古いけどWWW2011で発表されていた
"Who Says What to Whom on Twitter"
をちらっと読んでみた。
第四著者にはかの有名なダンカン・ワッツが名を連ねていてそれだけで読む価値あり的な空気を醸し出している論文
概要
Twitterでの情報の流れのデータを利用して、Lasswell's maximについて調査した。
Lasswell's maximというのは、
コミュニケーションは "Who says What to Whom in What Channel with What Effect" というモデルで表すことが出来る
という、Communication Theoryで有名なLasswellさんの格言?のこと。
例えば、次のようなニュースがCNNから流れたとする(参考)。
CNN NEWS – A water leak from Japan’s tsunami-crippled nuclear power station resulted in about 100 times the permitted level of radioactive material flowing into the sea, operator Tokyo Electric Power Co said on Saturday.
すると、Lasswell's maximに従うと次のように解釈できる。
Who – TEPC Operator
What – Radioactive material flowing into sea
Channel – CNN NEWS (Television medium)
Whom – Public
Effect – Alert the people of japan from the radiation.
WhoがCNNにならないのがポイントかな?
方法
リストを使って次の四つのカテゴリにおける有名ユーザを特定(詳細は論文)
- Media
- Celebrities
- Organizations
- Blogs
これらの有名ユーザが発信したURLが、他のユーザにどのようにして伝わるかを分析。
結果
上記の方法で特定された有名ユーザは全体の0.05%であるのにも関わらず、Twitter上で流れるURLの約半分はそれらのユーザが発信したものだった。
四つのカテゴリの有名ユーザは、それぞれ同じカテゴリに属す有名ユーザ同士でコミュニケーションを取ることが多かった(Homophily)。
Two-step flow of communication、つまり「一般人はマスメディアの情報から直接影響をうけるのではなく、マスメディアから影響をうけたOpinion leadersから影響を受ける」という考え方を調査したところ、Twitterでは約半数のURLが、上記の有名ユーザからそこそこ有名なユーザを経て、他の大多数の一般ユーザに伝わっていた。
異なるタイプの情報(URL)はTwitter上を拡散する期間が異なっていた。メディアから発信されたURLの拡散はすぐに終わるのに対して、ブログから発信されたURLは長く拡散し続ける。また、長く拡散するURLの多くが動画や音楽を含んでいた。
雑感
だらだらと分析結果を述べていくという形式で、読んでてあまりおもしろくなかった。多分Communication Theoryの人たちから見たらおもしろくかつ重要な結果だからWWWに採択されたか。Lasswell's maximとTwo-step of communicationsという理論?は今後も情報拡散を扱う時に重要になりそう。